訂正済)DSM診断基準の変化と子どもと大人の自閉症発症率。
あらら、なんか寝ぼけて書いてたので間違いがあそこここに。申し訳ありません。
以下、訂正しました。
続投これで最後です。
実際のAUSの自閉症児発症率データで(たぶん)、2008年は1/166, 2010 1/110, 2012 1/88 だそうです。
ちまたではアスペルガーやPDD-NOSを含めてきたから統計上自閉症疾病率が上がったとも言われています。
はたまた環境汚染(重金属、放射能などなど)によって上がったとも。
Kさんから借りたDVDに、DSM-5について2012年時点の情報ですが、説明がありました。
プレゼンター Jacqueline Roberts
彼女は元々スピーチパソロジスト。グリフィス大学の自閉症研究所代表。
物議を醸し出しているDSM-IVから5への移行。
彼女のスピーチはまず診断の変遷から。この説明はこの記事では省略。
アメリカの診断基準がなぜ話題になるかというと、それはWHOのInternational Classification fo Diseasesつまり国際基準を定めるためにDSM-5に従ずるからです。
ということは、WHOに従ずる日本ですから、日本の人も診断に影響が出てくるかと思います。
IVの問題点として指摘されていたこと・・・
同じ症状に対して多項目基準で検査・診断されていた。
診断基準に言語の遅れが入っている(言語の遅れは自閉症児に限ったことではなく、普遍的。)
三つどもえのコミュニケーションスキルの欠落と社会性行動(両者は切り離すことはできない)。
障碍の特徴として、多様性の問題(言語発達レベル、知的発達レベルなどの度合いが違う)。
Victoria Autism Conference by Jaqui より
DSM-5では
そして2つ以上のRestricted Repetitive Behaviours(限定的反復行動)があるかどうか。
※2つ以上のRRBがない場合、Social Communication Disorder (SCD) =現行のPDD-NOSと同等とされる。
ただし、まだ追試されていない。
※新基準がすべての既に診断を受けている自閉症成人、子どもに当てはまるわけではない。
つまり診断を受け直す必要はないとのこと。
そして、このプレゼンの最後のほうに、Traolachらの研究が紹介されています。
Epidemiology of Autism Spectrum Disorders in Adults in the Community in England Traolach et al. 2011
http://archpsyc.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=211276
彼らは成人の自閉症の疫学的研究をしています。
彼らの研究によると、成人の自閉症の発症割合も子どもと同じ程度の比率であるという結果が出たそうです。
つまり、自閉症と診断を受ける子どもの数が増えているだけで、成人でも自閉症を発症する割合は同じで単に診断されていないだけ。
こういうのって、予想はつくけど研究して数字に出すとなると大変です。
1000人規模の研究だったようですよ
こういうときって診断者は一人じゃないはずなので、全員のスキルが問われるはず(調査員のスタンダードはTraolach氏のウェブに書いてあったかな)。
そして少なくともこの研究結果は、グリフィス大学自閉症研究チームには賛成されているようです。
最近の環境汚染が自閉症児増加の原因ではない、とプレゼンの最後の一枚に書かれています。
まぁ確かに昔から世界的に核実験は行われていたし、工業地帯の環境、河川への垂れ流しなども昔のほうが悪かったかもしれないし、数十年前は親の愛情不足が原因と言われていた時代だけに、積極的に診断を受ける人が少なかった(隠されていた)かもしれません。
え?重金属の影響じゃないの?
えっと、発症率が上がった原因が環境汚染ではない、というだけ。
昔から重金属による健康被害はあったから。
というわけで重金属排出、やらないよりやったほうが絶対いいと思います。
高機能自閉症もなくなっちゃうのかな?いや実はDS1の診断名はAutistid Disorderなんです。